【中小企業の銀行対策】令和時代の若手銀行員の傾向と対策とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、令和時代の若手銀行員の傾向と対策について考えます。

今日の論点は以下の2点。

1 今時の若手銀行員はスペシャリスト志向が強い
2 「支店長」はもはやゴールではない

どうぞご一読下さい。

1 今時の若手銀行員はスペシャリスト志向が強い

先日、とある地方銀行の執行役員の方と食事をする機会があり、「今時の若手銀行員の傾向」が大きな話のネタとなりました。
北出は、お客様の会社の経営者の方と、金融機関に月次でモニタリングでお邪魔するので、現場の営業店の役職員の方に対応して頂く際、まだまだ入行5年目、28歳といった若手銀行員と接しますが、世代の差から、個人的な雑談がしづらいような気がしてなりません。

そのような若手銀行員をバブル組最終組の北出から見ると、営業店(支店等)はどんどん減っていくからポストも無くなっていくだろうし、大変だろうなあ・・・と見えてしまいます。

他方で、その銀行は、地方銀行の中にあっても、なかなか斬新なことを手掛けていて、内部では店舗の集約、DX化をジャンジャン進めているようです。

そんな話を執行役員の方と話をしていると、令和時代の若手銀行員は、バブル組とは少し志向が違うようで、銀行が変わっているから人も変わっているのか、あるいはその逆なのか、定かではありませんが、昭和時代の旧大蔵省銀行局を頂点とした金融村の護送船団方式は過去のものになりつつあることを思い知らされます。

バブル組銀行員は、営業店で新規融資をひたすら起こして融資末残を伸ばして、営業店ではなんでも来いのゼネラリストばかりでしたが、令和時代の若手銀行員は、バブル組とは少し志向が違うようです。
今時の若手銀行員の傾向として顕著なのが、スペシャリスト志向が強いことです。

もちろん、若手銀行員の多くは、従来とそうも変わらず、営業店で融資係や渉外係を担当して、主に、中小企業向けの融資先をフォローしていますが、いずれは、例えば、事業承継、M&Aや、もしかすると事業再生といったスペシャリストになることへの志向が強いようです。

ゼネラリストの旧来型の銀行員よりは、特定の分野に特化したスペシャリスト銀行員の方が、万が一、銀行を辞めることになっても、さっさとヘッドハンティングの声がかかります。
営業店から離れて、本部で外部の人と接触しないようなスペシャリストであれば、スーツ着用にこだわる必要もなくなります。
夏場は短パン、Tシャツで銀行員が仕事をできるようになれば、銀行全体の生産性がびっくりするほど上がること間違いありません。
北出は、このように、若手銀行員がスペシャリスト志向を強めていることにとても好感しています。

2 「支店長」はもはやゴールではない

かつて、バブル組入行の銀行員の目標は、「いつかはクラウン」ならぬ「いつかは支店長」でした。
昭和時代の銀行の本部要員は、「営業店で使えない変なヤツ」というのが通説でもありました。

しかしながら、世の中は変わりました。
遅ればせながらも銀行も間違いなく変わっています。

令和時代の若手銀行員は、その多くがスペシャリスト志向を強めて、営業店のマネジメント役の支店長になることに関心がありません。
もはや、令和時代の若手銀行員にとっては、「支店長」はゴールではないのです。

中小企業経営者からすると、「若手銀行員がスペシャリスト志向を強めてしまっては、うちのような会社は面倒みてもらえなくなるのでは」と不安を感じるかもしれません。
しかし、それは間違いなく幻想です。

中小企業経営者から金融機関へのニーズも、間違いなく変わってきているからです。
昔のように「なんとか融資をお願いします」ではなく、必要な融資は当然のことながら、ビジネスマッチングによる新規顧客開拓や仕入先の多様化、事業承継時のアドバイス、M&Aによる事業拡大などなど、金融機関は様々な「機能」を融資先中小企業に提供してくれます。
ビジネスマッチングにせよ、事業承継にせよ、M&Aにせよ、いずれもゼネラリストの仕事ではなく、スペシャリストだからこそできる仕事です。

逆に言ってしまえば、旧態依然としたままで様々な「機能」を提供してくれない金融機関は、スペシャリストを育成することなく、まともな融資先から相手にされず、メイン行の座からも滑り落ちてしまいます。
金融機関の機能の差によって、金融機関の淘汰も進んでいく予感です。

中小企業経営者は、金融機関を単に資金調達先として捉えるのではなく、様々な「機能」を提供してくれる金融機関をメインバンクにしていく必要があるのです。

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