【中小企業経営者の心得】中小企業だからこそ、ルール違反を冒してはならない理由とは?
今日は、中小企業経営者の心得として、中小企業だからこそ、ルール違反を犯してはならない理由について考えます。
今日の論点は以下の2点。
1 ルールとコンプライアンス遵守とは会社と経営者の責務である
2 ルール違反は会社の命取りになる
どうぞご一読下さい。
1 ルールとコンプライアンス遵守とは会社と経営者の責務である
「世知辛い世の中やなあ・・・」
昭和世代の経営者のため息が聞こえてきそうです。
昭和時代はなんともなかったことが、今は、パワハラ、セクハラ、カスハラだ、何かとうるさい世の中です。
他方で、現在、世間を賑わせているトピックスは、一重にルールとコンプライアンスに重大な疑義があるケースです。
ジャニーズ事務所然り、ビッグモーター然り、はたまた損保ジャパン然りです。
ジャニーズもビッグモーターも比上場企業ですが、騒動前は、資金力は総じて潤沢でした。
損保ジャパンは親会社で持株会社である損保ホールディングスが上場しています。
非上場でも資金力が潤沢な会社でも、上場企業連結会社子会社であっても、ひとたび、ルール違反、コンプライアンスに問題あり、となると、世間のバッシングが止まりません。
コンプライアンスを特に重視する金融機関は、ルール違反、コンプライアンスに問題のある会社に対して、支援を継続するわけにはいきません。
ひいては、会社の存続をも危うくし、経営破綻の危機さえ誘発します。
このように、会社の規模や上場、非上場の別に関係なく、ルールとコンプライアンスを遵守するのは、会社はもちろん、経営者も、オーナー企業であればそのオーナー一族の株主もその責務から逃れることはできません。
ルールとコンプライアンスの遵守とは、会社と経営者の責務なのです。
2 ルール違反は会社の命取りになる
弊所が、お手伝いさせて頂く中で、関与させて頂く初期段階で、しばしば経営者の口から発せられる言葉が「四角四面に法律通りやってたら、うちみたいな中小は商売が成立しない」です。
このような発言が経営者から発せられるのは極めて危ない兆候です。
そういうケースでは、北出は、容赦無く、「社長、その考え方は即刻改めて下さい」としっかりと釘を刺すようにしています。
先ほども申した通り、非上場でもそこそこの企業規模があり、資金面で潤沢な会社であってもルールやコンプライアンス違反が顕在化するとあっという間に会社が傾き、経営破綻のリスクに直結します。
ましてや、「ヒト、モノ、カネ」いずれもお世辞にも潤沢とは言えない中小企業、小規模事業者で、ルールやコンプライアンス違反が顕在化したら、会社はひとたまりもありません。
記憶に新しいところでは、青森県八戸市の駅弁屋さんが大量の食中毒事件を引き起こしました。
駅弁屋さんに、確かに、米飯の取扱が不適切だったようですが、報道で見る限り、悪意で行われた不祥事ではないようです。
おそらく、過失の世界なのでしょうが、八戸の駅弁屋さんの前途は極めて多難であることは想像に難くありません。
万が一にも、「四角四面に法律通りやってたら、うちみたいな中小は商売が成立しない」ような会社であれば、そのビジネスモデルは実質的に既に破綻しています。
本当に、「四角四面に法律通りやってたら、うちみたいな中小は商売が成立しない」ような会社であれば、会社とそのビジネスモデルについて、過去の実績を全否定し、丸っ切り作り替える必要があります。
繰り返しますが、ルールを守れなかったり、コンプライアンスの遵守に問題があれば、金融機関は支援を継続できません。
非上場の中小企業が金融機関から見放されては、事実上、資金調達の途が閉ざされてしまいます。
このように、中小企業経営者は、「四角四面に法律通りやってたら、うちみたいな中小は商売が成立しない」という意識が頭の隅にでもあればすぐにそれをたたき出し、ルール違反は会社の命取りになることを再度認識する必要があるのです。