【中小企業の銀行対策】オーナー経営者の健康不調が対金融機関信用度を毀損するリスクとは?

今日は、中小企業の銀行対策として、オーナー経営者の健康不調が対金融機関信用度を毀損するリスクについて考えます。

今日の論点は、以下の2点です。

1 会社の信用度≒オーナー経営者の力量
2 オーナー経営者の体調不良は突然やってくる

どうぞ、ご一読下さい。


1 会社の信用度≒オーナー経営者の力量

我が国の中小企業の数はざっと300万社強。
そのうち、もちろん、プロ経営者のようなサラリーマン社長もいないわけではありませんが、大半を占めるのがオーナー経営の中小企業です。
一方、オーナー経営の中小企業は概ね非上場企業ばかりで、外部や第三者の株主が存在する会社はごく少数です。
オーナー経営の中小企業の場合、意思決定を行う株主と業務執行の責任者である代表取締役を含めた常勤取締役とが同一となっています。

本来、今時の会社は、意思決定と業務執行を分別して、ガバナンスを効かせなければなりませんが、オーナー経営者が意思決定と業務執行を統括することで、会社としての意思決定と業務執行を迅速化するメリットも存在します。

このため、資金調達を金融機関に依存する非上場オーナー経営の中小企業にとっては、メインバンクを始めとした取引金融機関との関係は極めて重要です。

金融機関側とすれば、融資先の債務者区分を信用格付を決していく際に、定量的要素(決算書等)7割、定性的要素(決算書等数値に表れない要素)3割で配分していくのが一般的ですが、その定性的要素のうち、オーナー経営の場合は、オーナーの力量が大きなウェイトを占めます。
「オーナー経営の中小企業の定性的要素」=「オーナー経営者の力量」とは言えませんが、限りなく、「オーナー経営の中小企業の定性的要素」≒「オーナー経営者の力量」ということができるのです。

【中小企業の銀行対策】オーナー経営者の健康不調が対金融機関信用度を毀損するリスクとは?

2 オーナー経営者の体調不良は突然やってくる

話は変わって、高齢化の問題について考えます。
高齢化社会の急速な進行が社会問題化していますが、オーナー経営者の高齢化も、同様に、あるいはそれ以上に着実に進みつつあります。

バブル期真っ最中に30歳で独立して、会社を立てた元凄腕営業マンで、現オーナー経営者も今年で65歳。
オーナー経営者のコアな年齢層は、60代もしくは70代前半です。
とはいえ、元凄腕営業マンで、現オーナー経営者は元気そのもので、事業に対する意欲もまだまだ旺盛です。
「そう簡単に引退するわけにはいかん」。

とはいえ、オーナー経営者は、多くのオーバーワーキングです。
会社の休業日とはいえ、人知れず、会社の課題を見極め、修正策の検討することを繰り返しています。
本人は自覚していないかも知れませんが、フィジカルもとにかく、メンタルでも、相応のプレッシャーを受け続けています。

このため、どこかのタイミングで、「あれれ、なんで無理が効かないのか?」、「想定していなかった病気が見つかった」ということが普通のサラリーマンよりも高い確率で発生するかも知れません。
激務にさらされてきたオーナー経営者の体調不良は突然やってくることが懸念されるのです。

オーナー経営者の替えはそう容易には見つかりません。
オーナー経営者の引き継ぎには、相応の時間と引き継ぐものの覚悟が必要です。

引き継ぐものは、オーナー経営者と同等の経営者としての力量を取引金融機関が求めてきます。

このように、オーナー経営者の交代と事業承継には入念な準備が必要です。
オーナー経営での事業承継には、取引金融機関との信頼関係が何より重要です。

オーナー経営者は、突然降って湧いてくるかも知れない体調不良を見越して、用意周到に事業承継を執り行う必要があるのです。

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