【中小企業の事業承継】創業者が直系の子息に継がせるメリットとは?

今日は、中小企業の事業承継策として、創業者が直系の子息に事業を継がせるメリットについて考えます。

今日の論点は以下の2点。

1 「血が繋がる強み」を活かしていく
2 金融機関の支援姿勢が盤石となる

1 「血が繋がる強み」を活かしていく

バブルの最後の最後のタイミングであった1990年に30歳で独立した創業社長は現在63歳。
63歳のオーナーにして創業社長にとっては、「まだまだ若い奴には任せられん」と事業意欲マンマンです。
そうはいっても、創業社長は、これまで幾つかの会社の修羅場を潜ってきただけあって、サラリーマンからは想像できないような激務をこなし心理的ストレスと闘ってきました。
このため、事業意欲マンマンの創業社長といっても、「ちょっと最近、無理が効かんなあ・・・」とふと健康面での不安を感じずにはいられなくなります。
「まだまだ若い奴には・・・」と豪語していても、一方で、「そろそろ、後継者を指名して事業承継を考えていかねば・・・」と内心思わずにはいられません。

とかく、「会社は誰のためのもの?」という命題に対して、株主のもの、であったり、取締役のもの、従業員のもの、はたまた全てのステークホールダーのもの、と答えは様々ですが、我が国の中小企業においては、個人保証の問題があったりするのと、意思決定の速さという点で、オーナー経営の強みが活かしやすいと北出は勝手に考えています。
オーナー経営の強みを活かすためにも、万世一系ではないけれど、サラリーマン家庭ではないオーナー一族が、会社を、事業を、従業員を守る大家族的な経営ができれば、血の繋がる強みが最大限に発揮されることが期待されます。

創業経営者も人の子なので、自身の子息、子女が事業承継してくれるとなれば、会社をより良くするモチベーションが一気に高まります。
これこそが、オーナー経営の強jみなのです。

2 金融機関の支援姿勢が盤石となる

非上場のオーナー中小企業にとって、資金調達の綱となる金融機関、中でもメインバンクとの後継者に絡む関係性はどうでしょうか?

メインバンクとすると、後継者が決まっていて、特にその後継者が直系の子息、子女であれば、これほど心強いことはありません。
社長による個人保証(人的保証)が安定的に確保できることが期待できることが金融機関側の最大のメリットとなりますが、決してそれだけではなく、オーナー一族であれば、おいそれを経営に見切りをつけるリスクは少なくなります。
多少、赤字で、財務面で債務超過で脆弱であったとしても、「ご子息が後を継がれるのであれば」金融機関はそうそう文句を言いません。

後を継ぐ立場の子息、子女も「親父が立ち上げて軌道に乗せた会社なんやから」、事業承継後も精進して、全力で会社経営に力を注ぎます。
非オーナー一族の番頭格の社員や、ましてやM&Aで株式譲渡を受けたオーナーとは訳が違います。
もちろん、2代目のボンボンとレッテルを貼られるケースも世の中、散見されますが、創業者の子息、子女に帝王学をしっかりと授けて、次世代経営者として相応しい人間に育てあげるのは創業者の使命でもあります。

このように、オーナー創業社長の高齢化進行はまったなしですが、オーナー創業経営者は、自らの目が黒いうちにしっかりと事業承継を果たす一方、ハッピーリタイアを目指すセカンドライフを楽しむ権利もあるのです。

【中小企業の銀行対策】会社と個人を一緒くたにしてはいけない理由とは?も併せてご一読下さい。

公式サイト「次世代に残せる老舗企業の創造」もご覧下さい。

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