【中小企業のコロナ対策】手元流動性確保を最優先で伴走型資金を調達する効果とは?
今日のお題は、中小企業のコロナ対策として、手元流動性確保を最優先で伴走型資金を調達する効果について考えます。
今日の論点は下記の2点。
1 伴走型資金の調達で資金繰りをつなげる
2 リスケを回避しながら儲かる会社に造り変えてゾンビ企業から這い上がる
どうぞご一読下さい。
1 伴走型資金の調達で資金繰りをつなげる
コロナ資金のVer.2.0に当たるのが、伴走型資金です。
コロナ資金同様、直近の前月の売上高の減少幅が20%以上の場合、セーフティネット4号の対象となり保証料が実質不要となるなど、コロナ資金を調達して元本据置期間が満了し、元本返済が開始となる中小企業にとっては、事業継続の上で、大きなアシストとなります。
伴走型資金を効果的に調達することによって手元流動性を確保したり、既往借入金の借換によって既に支払っている信用保証料(前払費用でBSに計上済み)を取り戻すことも期待できます。
ただし、伴走型資金を調達して、月次の返済額を軽減しようとすると、実質的に条件変更(リスケ)と同様の影響が認められるため、真水で追加のニューマネーをいくばくか調達するか、借換によって返済期間を短縮するような配慮が必要です。
伴走型資金は、確かにコロナの影響を軽減するための制度融資ではありますが、伴走型資金を調達することによって、昨今影響の大きな原材料高や人件費高騰を凌ぐための資金としての役割も期待できます。
中小企業経営者にとっては、収益力改善計画によるリスケジュールは最後の手段として、伴走型資金をうまく調達することを検討するタイミングに来ているとも言えます。
とにかく、資金が尽きては会社が終わってしまうので、資金繰りをつなげることを最優先にすべきです。
2 リスケを回避しながら儲かる会社に造り変えてゾンビ企業から這い上がる
次に中小企業経営者が心得るべきは、「どうやったら儲かる会社に造り変えるか」です。
仮に、この後、時間を置かずして伴走型資金を調達したことで、安心し切って緩んでしまえば元も子もありません。
結局のところ、真水のニューマネーを入れてしまっては、ゆくゆくの返済負担が重荷となって、いよいよゾンビ企業になりかねません。
伴走型資金の調達と、儲かる会社に造り変えることはセットでなければなりません。
このため、収益力改善計画同様、利益が上げられるよう、売上増の具体策と収益の改善策をアクションプランとして具体的に立案、スケジュール化して、資金調達後に着実にアクションプランを実行に移していく必要があります。
伴走型資金の調達が問題の先送りになっては断じていけません。
コロナ資金にせよ、伴走型資金にせよ、借入金であることには違いはありません。
補助金や助成金と違って、借りたものは返さなければなりません。
中小企業経営者は、伴走型資金の調達をきっかけとして、10年先、20年先に残せる会社に脱皮することを真剣に考える必要があるのです。