【中小企業の銀行対策】借入金の相手として、借方に証が残らなければならない理由とは?

1 借金を事業拡大の原資にする

中小企業が事業を拡大するために必要なものが「借入金」です。
ほとんどの中小企業がオーナー経営で、即ち「単一資本」であるため、自己資金でまかなえる成長原資は自ずと限りがあるので、金融機関からの間接金融で成長資金を調達する必要があります。
借入金の資金使途は大きく分けて、運転資金と設備資金の2つですが、成長のための資金は、設備資金と増加運転資金の2つに分けられます。
設備資金は文字通り設備投資のための資金です。
町工場が、50百万円の工作機械を購入しようとすると、自己資金で賄うのはあまり現実的ではありませんが、金融機関が審査の上で、設備投資が過剰でないことと設備投資効果が十分見込めて、返済原資も捻出できるとなれば設備資金に取り組むということになります。
増加運転資金とは、一般的に中小企業は取引の力関係上弱くなりがちなので、売上が増加する局面では、お客様からの回収が後々となる一方で、材料費や外注費の支払が先行します。
売上増と支払先行分を賄うのが増加運転資金です。
設備資金然り、増加運転資金然り、いずれも事業拡大に必要不可欠なものなので、これらの資金をタイムリーに調達できないと、販売機会の喪失に繋がってしまい、事業拡大が思うように進まなくなってしまいます。
これらの資金は事業拡大に必要不可欠なものなのです。

2 後ろ向き資金はあっという間に干上がってしまう

設備資金も、増加運転資金も、一言でいえば、「前向き資金」と呼ぶことができます。
一方で、「後ろ向き資金」とはどのようなものでしょうか?
「後ろ向き資金」の典型例が、コロナで営業が思うようにできずにキャッシュが減っていく局面で調達したコロナ資金です。
後ろ向き資金が実行されたら、時間を置かずに、買掛金や未払金、人件費などの費用の支払にキャッシュが干上がってしまいます。
後ろ向き資金の最大の特徴が「借方に何も残らない」ことです。
その点、「前向き資金」の場合、設備資金では減価償却で徐々に簿価が落ちていくとはいえ固定資産が残ります。
増加運転資金の場合でも、受取手形、売掛金や棚卸資産を下支えします。
「前向き資金」は借方に証が残ります。
これこそが、「前向き資金」と「後ろ向き資金」の決定的な差です。
もちろん、中小企業が長い業歴の中で、必ずしも順風満帆な局面ばかりではなく、場合によっては「後ろ向き資金」を調達して事業継続を図る必要が出てくるかもしれません。
中小企業経営者は、金融機関から資金調達をする際には、その資金が前向きなのか、後ろ向きなのか、どのような性格のものなのかを意識する必要があるのです。

【中小企業の銀行対策】「貸付金」が命取りとなる理由とは?も併せてご一読下さい。

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