【中小企業の銀行対策】月末だからこそ月越え延滞を回避しなければならない理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、月末だからこそ、月越え延滞を回避しなければならない理由について考えます。

今日の論点は以下の2点。
1 延滞とリスケは大違い
2 月越え延滞は事故である

どうぞ、ご一読下さい。

 

1 延滞とリスケは大違い

今日は、6月28日で6月としては金融機関最終営業日です。
多くの中小企業で、長期借入金の返済日を「月末」としているケースが見受けられますが、この6月のように、月末が土日にかかる場合、月末の返済日は、翌月の第一営業日に後ろズレとなります。

なので、金融機関の6月の「実質月末」は7月1日です。
よく、世間では誤解されがちなのですが、「どうせ、多くの中小企業がリスケしてもらってるんやから、うちの会社の返済も1、2日遅れても大したことないやろう」という考え方です。
そもそも、延滞とリスケジュールとでは天と地くらいの差があります。
延滞は、約定日に残高不足等によって返済ができないことを言います。
特に、月末の返済日がなっていて、6月末の返済が7月2日以降にずれ込んだ場合、「月越え延滞」となります。
他方、リスケジュールは、返済方法を見直して、改めて条件変更契約を結ぶことになります。
リスケジュールによって、元本返済額を一定期間0円にして利払いのみにするという具合に、契約を変更するため、支払利息が約定日に引き落とされれば、約束違反には当たりません。

もしも、資金繰りが厳しくて、仕入先や外注先への支払が滞ったり、租税公課の滞納が発生するような場合には、速やかにリスケジュールの要請を金融機関に行うことが肝心です。
このため、リスケジュールが妥当か否かを判断する際には、向こう1年間の資金繰りをシミュレートした資金繰り表の作成が必須です。
資金繰り表の作成に当たって、入金にせよ、支払いにせよ、保守的に見積もることが重要です。

2 月越え延滞は事故である

今年の6月のように、土日に月末が重なると、経理は神経を使うことを余儀なくされます。
一部の金融機関の総合振込は支払日の前営業日に資金を決済するため、今年の6月の場合、本日6月28日に総合振込の資金が決済されてしまいます。
一方、月末はお客様からの入金が集中しますが、月末が土日にかかる場合、6月月末の前営業日である本日6月28日に入金されるお客様もあれば、7月1日に入金されるお客様もあり得ます。
7月1日に見込んでいた入金が先方の都合で遅れてしまった場合、7月1日の返済が資金不足になってしまって、下手をすると月越え延滞となってしまいます。

月越え延滞は、いわば「事故」なので、月越えの延滞歴があると、後々の資金調達に支障をきたします。
このようなご時世なので、どの中小企業も余裕をかまして潤沢な資金を確保している中小企業はそう多くはありません。
月末に見込んでいた入金が入ってこない場合、月越え延滞=事故となってしまうのです。

自社の支払日が月末になっていて、金融機関の返済日も月末になっている中小企業の場合、中小企業経営者は、月末の資金繰りを経理担当に丸投げすることなく、日々の資金繰りに注意を払う必要があります。

金融機関への信用を失墜させないためにも、月越え延滞はなんとしても回避しなければならないのです。

 

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