【中小企業の銀行対策】今のうちから年末資金の調達準備に入る必要性とは?
今日は、中小企業の銀行対策として、今のうちから年末資金の調達準備に入る必要性について考えます。
今日の論点は、以下の2点。
1 明日から11月で今年も残り2ヶ月
2 資金調達は早め早めに準備をする
どうぞ、ご一読下さい。
1 明日から11月で今年も残り2ヶ月
今年は残暑が長引いて、なかなか秋到来とはなりませんでしたが、ようやくここへ来て秋めいて来ました。
ちょっと前まで暑かったので、ピンと来ませんが、明日から11月。
今年も残り、2ヶ月を残すのみとなりました。
中小企業経営者にとっては、ルーティンワークだけではなく、年末に近づくにつれ年末にかけてあっという間です。
中小企業経営者にとっては、スケジュールの問題だけではなく、業種、業態にはよりますが、年末まで資金が忙しくなります。
リードタイムが1ヶ月超となる製造業では、11月に入った途端、年末までに納品すべき製品や商品の原材料の仕入を始めなければなりません。
卸売業でも、仕入支払が先行して、仕入資金が必須です。
公共工事メインの建設業では、原材料費や外注費の支払先行がピークに差し掛かるので、工事見合いの引当融資がどうしても必要です。
中小企業にとっては、11月に入った途端、もはや年末モードなのです。
2 資金調達は早め早めに準備をする
アフターコロナとなり、社会が本格的に動いている今年の年末は、多くの中小企業で増加運転資金を中心に、資金需要が旺盛となる可能性が高まります。
このため、民間金融機関から信用保証協会へ持ち込まれる融資案件は増加しますし、日本政策金融公庫も同様です。
他方、民間金融機関の信用保証協会保証付きのコロナ関連の制度融資は今年6月末で終了していて、基本的に保証協会付きの場合、一般融資となるので、コロナ資金のように、スイスイ審査が通る保証はありません。
保証協会の保証承諾が下りても、金融機関での稟議手続きにも日数が必要です。
また、日本政策金融公庫の場合、コロナ資金の制度は継続されているものの、当初3年間の金利引き下げ措置がなくなり、設備資金が対象外となっています。
日本政策金融公庫の審査にもこれまで以上に時間がかかる公算が高まります。
このため、12月10日になって、「12月25日実行でお願いします」と金融機関に頼み込んでも、実行は早くても年明けになってしまいかねません。
さらに、金融機関担当者から、「それでは、社長、おいくら必要ですか?」と問われた時に、「いや〜、なるべく多い方がいいね」と答えてしまうと、金融機関担当者としては、「この社長、大丈夫かいな?」と疑心暗鬼になってしまいます。
調達した借入金はちゃんと返済しなければいけないので、調達した資金が多くなればなるほど、将来の返済負担が重くなってしまうので、「いや〜、なるべく多い方がいいね」という答えは禁句なのです。
融資実行までの審査に通常よりも時間がかかることから、今から年末資金の要請を金融機関に働きかける必要があります。
その際、返済がきっちりと回ることを金融機関に明示するためにも、実行後向こう1年間の資金繰り表を作成しておくと、金融機関担当者も対応しやすくなります。
中小企業経営者は、年末資金の調達に際しては、資金繰り表の作成が必要であることを認識して、早速、し年末資金の調達の準備に取り掛かる必要があるのです。