【中小企業経営者の心得】効果測定が不明瞭で慣例的な経費にメスを入れる経営判断とは?

今日は、中小企業経営者の心得として、効果測定が不明瞭で、かつ慣例的な経費にメスを入れる経営判断について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。
1 効果測定のできない経費は思い切って削減する
2 慣例を打ち破ってポストコロナを乗り切る

どうぞ、ご一読下さい。


1 効果測定のできない経費は思い切って削減する

中小企業の銀行対策の仕事をする中で、中小企業の外部環境として、最近痛感していることが、「かつて経験したことのないようなコスト高」です。
原価のある業種であれば、原材料費の高騰と、人手不足による労務費、人件費の上昇に加えて、水道光熱費や燃料費他、あらゆる経費が上がっています。

他方で、コスト上昇分と人件費の増加分を反映させた形でのお客様への価格転嫁や、売価の値上げがどんどん進んでいます。
しかしながら、飲食業を始めとして過当競争の業界では、客離れを懸念した経営者が、もう一段の売価の値上げになかなか踏み切れません。
このような状況が続いていては、売上総利益率(粗利率)は低下し、販管費の増加の一途となれば、営業損益で赤字に転落してしまいます。
コロナ資金を借り入れて、返済負担がコロナ前よりも重くなっている中小企業では、返済原資が枯渇してしまい、近い将来、リスケジュールを余儀なくされることが懸念されます。

中小企業にとっては、円安による原材料単価の上昇と人手不足はかつて経験したことのないような脅威であり、コスト高の傾向は残念ながら今後も続いていくことが想定されます。

このような状況を打開するためには、効果測定がなかなか難しくて、かつこれまで慣例的に支出してきた経費を聖域なく見直して、バッサリ切っていくことを躊躇していられなくなります。
例えば、折込チラシのような効果測定の難しい広告宣伝費などが聖域なく見直すべき経費の筆頭格です。
確かに、集客を確保していくために、経営者としては、ネット社会で、紙の新聞の部数の減少が著しい中にあっても、簡単に広告宣伝費をバッサリいくことに抵抗を感じます。

そのようなところが、広告代理店の得意とする心理的効果なのかもしれませんが、もはや、効果測定がある程度できていて、広告宣伝効果が客観的に測れるような場合を除けば、広告宣伝費を聖域化すべきではなく、そのようなぬるま湯に浸かっている場合ではありません。

また、よく効果が見えにくい毎年4月に実施してきた外部講師による新人研修なども本当に必要なのか、疑問符がつきます。
外部講師による新人研修は、中小企業であっても、少なからぬ経費の支出を余儀なくされています。
しっかりと効果が出るのであれば、それはそれで良いのですが、大切なのは費用対効果なので、十分な効果の上がらない諸々の経費は今こそ、バッサリメスを入れる必要があるのです。

【中小企業経営者の心得】効果測定が不明瞭で慣例的な経費にメスを入れる経営判断とは?

2 慣例を打ち破ってポストコロナを乗り切る

多くの中小企業経営者が肌感覚として実感しているのが、「コロナ前とは違う異次元な物価高」なのだと考えます。
川上から押し寄せる物価高が川下に十分転嫁できない状況は、単なるインフレとは言えず、もはや、スタグフレーションに近いものに思えます。

このような局面では、コロナ以前の成功体験がなかなか通用しなくなってきます。
特に、老舗企業であればあるほど、「あれれ、こんなはずではないはずなのに」と、ブレーキが効かなくなるような会社の状況に追い込まれかねません。

このため、コロナ前からの慣例を打ち破って、特に、長年慣例的に支出してきた経費について、聖域なく見直しを入れ、バッサリメスを入れることに躊躇してはなりません。

中小企業経営者は、アフターコロナが想定以上に厳しい外部環境下にあることを肝に銘じて、物価高、人手不足を乗り切っていかねばならないのです。

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