【中小企業のコロナ対策】リスケジュール中でも一人当たりの人件費を上げるべき理由とは?
今日は、中小企業のコロナ対策とshじて、リスケジュール中でも一人当たりの人件費を上げるべき理由について考えます。
今日の論点は以下の2点。
1 リスケジュール下では会社も人も全ては救えない
2 量から質に転換する
どうぞご一読下さい。
1 リスケジュール下では会社も人も全ては救えない
新型コロナウイルス感染拡大の影響が収束する中、コロナ資金を目一杯調達し、特例リスケ、収益力改善計画への移行した少なからぬ中小サービス業が存在します。
売上回復によって事業継続のメドが立ってきている中にあっても、返済を再開できている中小サービス業はむしろ少数派で、まだまだ経営改善局面の真っ只中というのが実態です。
結局のところ、経営改善局面を脱して、リファイナンスまでの道のりをつけられるかどうかは、同じ業界内での外部環境は概ね差がないので、その会社の内部要因と経営者の胆力によって運命が決まると考えています。
他方、飲食業を中心に、中小サービス業の倒産件数が増加傾向です。
信用調査会社の東京商工リサーチによれば、2023年8月度の全国倒産件数は760件で、前年同月比54.47%増となっています。
弊所のお客様の会社は、幸いにも徐々に業況、資金繰りが回復基調ですが、リファイナンスまでの道のりはまだまだ遠いというのが現実です。
新型コロナウイルス感染拡大は中小サービス業に大きな打撃を与えましたが、外部環境の好転を自社に取り込めている会社は生き残れるのに対して、残念ながら息絶えてしまう会社も存在します。
悲しいことですが、「全ての会社は救えない」というのがアフターコロナ禍の資本主義の冷徹な現実なのです。
人についても同様で、アフターコロナ禍でしっかりと経営改善局面を辿っている会社で起こっていることが、「人の選別」です。
経営改善局面は、そこで働く人にも変革が求められます。
コロナ前のように、緩い働き方をしている従業員は、会社と同様、淘汰されます。
弊所のお客様の会社の成功事例を見ていて感じるのが、残るべくして残る人がいる一方で、去るべくして去る元従業員との差が歴然としていることです。
これも悲しいことですが、会社と同様、「全ての人も救えない」というのがアフターコロナ禍の資本主義の冷徹な現実なのです。
2 量から質に転換する
アフターコロナのこの世の中で、おしなべて言える傾向が「安売りは限界である」です。
これは、中小サービス業に限らないことですが、回転率を上げて大量販売、大量消費をさせるビジネスモデルに無理が来ています。
絶対需要の回復によって、売上高(トップライン)は幸いにも立つようになっています。
今は、原価を下げるというよりは販売単価を上げることに徹する時です。
中小サービス業にとって、量から質への転換が最大の経営課題です。
これは、人についても同様で、スキルの高い従業員をより処遇することで、一人当たりの人件費を上げて、生産性を引き上げることが肝要です。
逆に、組織にぶら下がるだけの人間を淘汰することも重要です。
リスケジュール中であっても、アクションプランの具体的施策の中で、人件費総額を横ばいにしつつ、スキルの高い従業員を揃えることで一人当たりの人件費が増加しても、債権者金融機関から異論が出ることはありません。
スキルの高い従業員が頑張ってくれて、最終的に収益計画よりも収益実績が上振れた分を、賞与として従業員に換言すべきです。
一人当たり人件費を増加させ、一人当たりの生産性を引き上げることによって、収益が上振れるようにするのが、アフターコロナ禍の中小サービス業の生き残りの鍵です。
中小企業経営者は、人件費総額を増加させるのではなく、一人当たり人件費を引き上げて、収益上振れを実現していくことが必要なのです。