【中小企業のコロナ禍サバイバル】キャッシュ増加をKPIにする理由とは?
1 政府のコロナ支援策はほぼ終焉を迎える
今日はコロナ禍の中小企業にとってキャッシュ増加をPKIにしなければならない理由について考えます。
コロナ禍となってから早、丸っと3年が経過しました。
コロナ禍の不自由な生活もとうとうルーティン化し、人々の生活スタイルも一変しました。
他方、新規感染者数の減少とウィルス自体の弱毒化によって、あと10日程でマスクは個人の判断、5月には2類から5類に変更と、アフターコロナが本格化します。
規制緩和に併せて、これまでの公的部門での様々な支援策が終了していきます。
コロナ資金、雇用調整助成金、協力金・補助金・助成金ももうお終いです。
言ってしまえば、「あとは自己責任でよろしゅうね」というわけです。
そうは言っても、サービス業、飲食業、旅館業など、コロナで甚大な影響を被った業態、業種では、まだまだコロナの後始末との闘いが続きます。
中でも、引っ張って、引っ張って、引っ張りまくって調達し切ったコロナ資金の返済は、中小企業の大きな足かせです。
特例リスケから収益力改善計画への変遷の中、都道府県の中小企業活性化協議会からの支援を受けて、少なからぬ中小企業が本業回復に躍起になっています。
ようやく世の中、コロナ禍からの夜明けが見えてきましたが、まだまだダメージの残るコロナ禍の中小企業が最優先すべきKPIはどのように設定すべきでしょうか?
次で考えてみることにします。
2 事業継続の鍵は、キャッシュが尽きないことである
そもそもなぜ、会社は倒産してしまうのでしょうか?
もちろん、個別事情は様々ですが、単に言えることは、「おカネが尽きるから倒産してしまう」、ということです。
いくら決算書や試算表で利益が出ていても、おカネが尽きてしまったら、仕入先にも外注先にも支払いができなくなります。
消費税や社会保険料が滞納となり経費の支払いもままならず、やがては電気がつかなくなります。
おカネが尽きてしまうから会社は死んでしまうのです。
逆に言えば、いくらBSが債務超過でも、PLが大赤字でも、キャッシュが繋がれば会社は死なずに済みます。
このような事業継続最優先の局面では、もしかすると、粗利を少し犠牲にしてでもキャッシュを優先すべきという選択肢を取るべきケースがあります。
下手に言えば、「3%値引させてもらいますから、締後翌々月末ではなく翌月末にご入金して頂けませんか」という具合です。
もちろん、このような安易な値引きは原材料高のご時世、安易にやるべきではありませんが、キャッシュが尽きては終わってしまうという切羽詰まった状況では、このような苦渋の決断を経営者が下さなければならないかもしれません。
世の中、着実に動き出してきています。
ここが踏ん張りどころです。
中小企業経営者がアフターコロナを生き抜くためには、キャッシュが尽きないようにし、次のフェイズではキャッシュを増加していくことをKPIとして、その弛まぬ努力を惜しんではならないのです。