【中小企業の銀行対策】増収実現に新規顧客開拓が必須である理由とは?

1 同業者との競合は激しさを増すばかりである

今日は、中小企業として増収(売上増)を実現していくための必須条件である新規顧客開拓について考えてみることにします。
どの業態、業種の中小企業でも売上を増加させていくためには、新規の顧客開拓がどうしても必要です。
その理由は、ブッチギリの独自性を持つ自社製品がある場合を除くと、大半の中小企業が同業他社との競合に晒されていて、ちょっと気を抜くと、同業他社に既存のお客様を持っていかれるからです。
我が国の財サービスのほとんどの市場自体、成熟してしまっていて、言い方を変えると供給過多になっていて、過当競争になってしまいがちです。
理想的には、価格勝負を回避して、単に商品だけを売るのではなく、サービスを一体のものとしてお客様に提供しようと、同業他社も必死です。
また、同業他社が、粗利を削ってでもここはシェア奪取を最優先として、同業他社に打撃を与えてやろうとなれば、通常よりも低価格で、お客様を切り崩しにきます。
経営者が「横ばいで十分や」と思った瞬間、近い将来の売上推移は右肩下がりです。
原材料価格が上がり、人手不足も祟って、ほとんどの中小企業が持久戦を強いられているのが現実です。

2 経営改善の鍵は「新規顧客開拓」に尽きる

例えば、年度末を前にして、特例リスケから収益力改善計画に移行していく経営改善途上のコロナで痛手を被った会社を見ていてつくづく痛感するのが、経営改善の鍵は「新規顧客開拓」に尽きるということです。
1年前に経営者に作成してもらった新規顧客見込先リストと、今この時点での新規顧客見込先リストを比較してみると、経営改善が進んでいる中小企業の場合、新規見込先リストの顔ぶれが一新されています。
他方、経営改善が思うように進んでいない中小企業の場合、1年前と現時点での新規顧客見込先リストの多くが重複しています。
これこそが、この1年間、全然、新規顧客開拓に取り組んでいなかった動かぬ証拠です。
営業部門で、数字が全然いっていない営業マンに管理者が新規見込先リストを出すよう業務指示を出し、全然数字がいっていない営業マンが渋々出してきた新規見込先リストが以前の新規見込先リストと変わりばえがしないケースと同じです。
そのような中小企業が、中小企業活性化協議会を通じて債権者である金融機関に提出した収益力改善計画を金融機関が吟味する時、金融機関営業店の融資係も役席も次席もアホではないので、「このアクションプランには実現性が認めにくい」と簡単に見破られてしまいます。
「この社長、信用ならんなあ」。
こうなってしまっては、金融機関に対する信用は失墜してしまいます。
確かに、新規顧客開拓は骨の折れる仕事です。
時間もかかるし、決裁権者になかなか辿り着けません。
しかしながら、相手が潜在的に抱えているニーズをしっかりと掘り起こして、自社の製品・サービスでそのニーズに応えることができるという地味な提案を継続することができてこそ、初めて新規開拓が実現できます。
そうやって、相手の懐にしっかりと飛び込んでいって獲得できたお客様は、ただ単なる価格勝負だけで他社になびくことはありません。
中小企業経営者は、常に新規顧客見込先をアップデートし、これでもかこれでもかと新規見込先に飛び込んで、全員営業が当たり前となる闘う会社風土を醸成していく必要があるのです。

【中小企業の事業承継】ローカルルールを廃止しなければならない理由とは?も併せてご一読下さい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA