【中小企業の銀行対策】地域特有の金融機関事情を知っておくべき理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、地域特有の金融機関事業を知っておくべき理由について考えます。

今日の論点は以下の2点。

1 自社の地域は金融機関激戦区か否かを知る
2 自社のメインバンクの地域に於けるポジションを把握する

どうぞご一読下さい。

1 自社の地域は金融機関激戦区か否かを知る

日本の大きな金融機関の勢力図として、3メガバンクが頂点に君臨し、関西や埼玉県等関東北部でりそなグループ、全国に第一地方銀行(元々の地方銀行)と第二地方銀行(ダイニチギン、旧相互銀行)に、信用金庫や信用組合といった地域金融機関が存在します。
いわば、金融機関のピラミッド構造のようなものが出来上がっているというのが全国レベルの一般論です。

ところが、地域毎にみると金融機関の勢力図は一様であるとは言い難いというのが現実です。
弊所の地元である大阪では、3メガバンクの中でも関東勢のみずほよりも旧住友銀行の流れを汲むSMBCや旧三和銀行が幅を利かせてきた三菱UFJが依然として高いシェアを誇っていますし、旧大和銀行以来、多くの自治体の指定金融機関であるりそな銀行は存在感が目立ちます。

また西日本中の地方銀行や第二地銀がこぞって営業展開しているのも大阪の特徴です。
地域金融機関である信金や信組も大規模で、大阪に展開する金融機関はまるで戦争のような競合です。

総じて、金融機関相互の競争が激しい大都市部では金利競争も、融資の競争も激しく、プロパー資金のウェイトが高いことも特徴です。
大都市部では、信用保証協会の保証の可否を打診している間に、他行がプロパー資金でサクッと対応する傾向が見受けられます。
他方、地方では地銀と第二地銀が経営統合するなど、下手をすると独禁法にかかるような寡占状態も見受けられます。
保証協会の利用率が高く、プロパー資金での対応が鈍いことから、資産背景が乏しいスタートアップのような成長企業の資金需要に十分対応してできていないケースも散見されます。

いずれにしても、自社の地域に於ける金融機関相互の競争度合いを知っておくことは、中小企業経営者としてとても重要です。

2 自社のメインバンクの地域に於けるポジションを把握する

上記でお話ししたように、金融機関の地域情勢はそのエリアで特徴があります。
ここで中小企業経営者にとって大切なことが、自社のメインバンクの地域におけるポジションです。

単純に、メガバンクの方が有利とか、信金・信組が不利だとか、そういう単純な話ではありません。
関西でいえば、関東系のみずほよりも、京都中信や京信、大阪シティや尼信とかの大規模信用金庫の方が、信用保証協会に強かったりします。
また、地方の場合、府県トップ地銀だと中小企業活性化協議会(旧中小企業再生支援協議会)との人的結びつきが太いため、協議会案件がスムースに運ぶこともあります。

このように、地域による金融機関の勢力図は様々で、財務局の管轄管内でも違いがあるかもしれません。
中小経営者は、自社のメインバンクがその地域でどのようなポジションにあるのかを把握して、「もう、こんな銀行、話にならん」というようなことにならないよう、メインバンクとの協調関係を築いていく必要があるのです。

 

【中小企業の銀行対策】中小企業経営者が知ってそうで知らない「期限の利益」の意味とは?も併せてご一読下さい。

公式サイト「次世代に残せる老舗企業の創造」もご覧下さい。

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