【中小企業の銀行対策】コロナを業績不振の理由にしてはならない理由とは?

1 日本は、長い長いコロナ禍トンネルを通り抜けた

今日は、中小企業の銀行対策として、コロナを業績不振の理由にしてはならない理由について考えてみることにします。
ゴールデンウィークが終わり、今日から、新型コロナウイルス感染症は、感染症法の分類が2類から5類に引き下げられました。
いよいよ、日本も遅まきながらも、コロナ禍から卒業のフェイズを迎えました。
2020年からのコロナ資金にせよ、特例リスケから現在の収益力改善計画にせよ、金融機関や再生支援協議会(現、活性化協議会)の中で「ま、コロナやからしゃあないな」という雰囲気が暗黙のうちにありました。
コロナ資金は保証協会100%保証で、頑張って頑張って保証承諾を下ろしてくれて、特例リスケも収益力改善計画も元本返済を据え置くことが半ば許されていました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症から丸3年が経過し、国民の大多数がワクチン接種を繰り返し行い、インバウンドが大阪の街に戻ってきた今、もはや、「コロナやからしゃあないな」は許されません。
実際問題として、北出がお手伝いするようになっている中小企業の中でも、実はコロナ前から金融機関に条件変更に応じてもらっていたケースが散見されます。
下手をすると、もう10年近く、返済額の増減を繰り返しながら、条件変更が続いている中小企業もなきにしもあらずです。
そのような会社は、経営不振の原因が主としてコロナにあるのでなく、別のファクターが経営不振の原因となっています。
困ったことに、10年近く条件変更が続いている中小企業経営者は、条件変更自体に慣れてしまっています。
なんとか、未来に会社を残すために、実態ベースで債務超過を解消し、10年を目途ととしてリファイナンスを目指そうとしても、なかなか経営者のモチベーションが上がりません。
活性化協議会のご承認を頂くべく、特例リスケや収益力改善計画を策定する時は、それなりに中小企業経営者が危機感を共有してくれる(少なくともそう思わせてくれる)のですが、喉元過ぎればなんとかで、収益力改善計画が各債権者からご賛同頂き、リスケジュールが実行されて数ヶ月もすれば、また、ダラダラモードに戻ってしまう経営者が存在してしまうのは、本当に歯痒く、悲しくなってしまいます。
そのような経営者に限って、北出が作成した計画書や資金繰り表のドラフト版について興味を示さず、質問一つ、ありません。

2 ゾンビ企業になってはいけない

他方、実際問題として、半ば条件変更が常態化してしまう中小企業は、残念ながら、ゾンビ化していると言わざるを得ません。
悲しいことですが、生活の糧として幾ばくかの役員報酬を得るために、会社を存続させてしまっているようなケースもなきにしもあらずです。
そのようなゾンビ企業は、オーナー一族のための生命維持装置としての役割でしかありません。
イノベーションも起こらず、従業員のモラルも低下し、優秀な従業員から見切りをつけて離職してしまって、会社は負のスパイラルに囚われてしまいます。
一方で、経営者が不退転の決意で腹を括って、「絶対、会社を再生させてみせる」とアクションプランをガツガツ実行しまくって、それでも足らずに、アクションプランを更にブラッシュアップして経営改善へ向けてアクセルをベタ踏みする経営者もちゃんといらっしゃいます。
計画書等や資金繰り表をしっかりと読み解くオーナー経営者からは、「どうやったら、キャッシュが増えるんや」と質問攻めに合って、オーナー経営者と北出の議論が白熱します。
現状、いくら債務超過額が大きくても、債務償還年数が100年であっても、ゾンビ化しない会社も間違いなく存在します。
そのような経営者のもとには、心ある従業員が結集して、経営改善に主体的に協力しようとします。
ここまでくると、ゾンビ化するかしないかは、オーナー経営者の覚悟と腹の括り方一つにかかっていると言うことができます。
コロナの影響を受け、会社に傷を受けてしまったオーナー経営者の皆さん、もはや、コロナを経営不振の理由にすることはできません。
腹を括って、覚悟を決めて、次世代に残せる会社にするため、経営改善に邁進するタイミングが今、なのです。

【中小企業の銀行対策】返済のための借入をもういい加減にやめなければならない理由とは?も併せてご一読下さい。

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