【中小企業の事業承継】事業承継の鍵は帝王学と子離れである理由とは?
今日のブログネタは、中小企業の事業承継として、事業承継の鍵は帝王学と子離れである理由について考えます。
今日の論点は、下記の2点。
1 息子に帝王学を授ける
2 事業承継後は潔く身を引き子離れする
どうぞご一読下さい。
1 息子に帝王学を授ける
創業者にとって、事業承継は経営者としての最後の大勝負です。
同時に、子息への事業承継は、創業者としての悲願でもあります(例外はあります)。
創業者としては、事業承継後「こいつはしっかりと会社をマネジメントしていけるだろうか」と一抹の不安を感じてしまいます。
これは当然のことで、創業者は、ゼロから事業を立ち上げた苦労人です。
会社が順風満帆な時もあれば、荒波にさらわれしまいかねないような経験を積んでいるのが創業者です。
創業者が、事業承継前に子息が立派な次世代経営者になるため伝授すべきスキルが「帝王学」です。
「帝王学」といってもその意味は様々ですが、経営者として決して奢ることなく、謙虚な姿勢で多くの人々から人望を得つつ、しかしながら、経営者として毅然とすべき時は毅然とした姿勢を取れることに他なりません。
事業承継後の子息であり新社長は、対外的にも社内的にも、「あの社長はしっかりもので、若いがなかなかやるなあ」と感じてもらう必要があります。
創業者は、会社がサティスナブルに事業を継続し、できれば地域社会に貢献できるような「帝王学」を自身の子息に授けなければなりません。
そこには、甘さだけではなく、厳しさも必要で、「帝王学」を授けられる子息も、自身に課された役割と運命を感じながら、日々研鑽する必要があります。
創業者から次世代経営者へのバタンタッチは傍目で見るより、ずっと大変な大イベントなのです。
2 事業承継後は潔く身を引き子離れする
北出が事業承継のお手伝いをしていて「あ、この会社はうまく事業承継ができたな」と思える会社を例にとって、あるべき事業承継の「その後」を見てみます。
もう十分子息jに「帝王学」を伝授したと感じた創業者は、事業承継の「その後」はほとんど会社に来なくなります。
「事業承継後は、あとは新社長の力量次第。俺は事実上、引退や」。
代表権を持った代表取締役会長や、代表権のない取締役相談役など、事業承継後の創業者の社内呼称はそれぞれですが、事業承継直後の創業者の出社は週一回、しばらくすると月2回、さらにすると、ほとんど出社されることはなくなります。
一方で、創業者は新社長に、「どうしても困ったことがあったら、俺に言うてこい」としっかりと万が一の助け舟を容易してくれています。
万が一の非常時には創業者がお出ましになるけれど、事業承継後の創業者は、潔く会社から身を引いて、さっさと子離れして、のんびり奥様と温泉三昧と言うのが理想的です。
その逆のケースもあって、70歳を超えても、未だ息子に経営のバトンを渡すことなく、配達業務といったルーティンワークに忙殺されている経営者も現にいらっしゃいます。
高齢となった経営者は、目の前のことで精一杯で、とても事業承継という大仕事に立ち向かうことができません。
そのようなケースでは、事業承継が現社長が亡くなったタイミングという事業承継では最悪のケースを迎えてしまいます。
このように、事業承継はタイミングを逃してしまうと実現困難になってしまいます。
創業者も、次世代経営者も、事業承継という大仕事に向かって、数年間のスケジュール感で、計画的に取り組んでいく必要があるのです。