【中小企業の銀行対策】在来型産業に銀行融資が必須である理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、在来型産業に銀行融資が必須である理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点。

1 ソフト産業台頭によって銀行融資への依存度は低下する
2 在来型産業の成長は銀行融資は必須である

どうぞ、ご一読下さい。


1 ソフト産業台頭によって銀行融資への依存度は低下する

弊所では、創業資金のお手伝いはほとんど行っていませんが、商工会議所の会員企業さんとかを見ていると、在来型産業よりもソフト産業が台頭していることを実感してしまいます。

新規創業の企業のほとんどは、ソフト型産業の範疇です。
ソフト産業の多くは、多額の設備投資を必要としません。
下手をすると、従業員が当たり前に在宅勤務をしていたりして、事務所も最低限で済んでしまいそうな気配です。
多額の設備投資を必要としないソフト型産業企業は、必ずしも銀行融資を必要としません。
新規創業を目指す経営者の卵たちも、決して多くのリスクを負うことを良しとはしません。
可能な限りリスクを低減しようとするのは気持ち的にはよくわかりますし、令和の世の中らしいと言えばそうかもしれません。

資金的にも、せいぜい、日本政策金融公庫の創業資金や制度融資、信用保証協会の保証付で間に合うような規模感です。
あるいは、複合機やPCやPC回りの什器備品であれば、もはや銀行融資の範疇ではなく、メーカー系のリースでの資金調達で十分です。
もしかしたら、ソフト型産業はBSをコンパクトにしたまま、PLをより強靭なものにして、銀行融資を一足飛びに飛び越えて、上場準備を目指すかもしれません。

こういうソフト型産業の台頭は、地方銀行等地域金融機関の新規融資先の開拓を難しています。
ようやくソフト型産業企業への新規融資の開拓ができたとしても、資金需要はせいぜい数百万円の世界です。
地方銀行等地域金融機関は、これまでの金融機関としてビジネスモデルを大きく転換する必要性が出てくるのかもしれません。

今や、金融機関は成長産業とは言えなくなってきているのかもしれないのです。

【中小企業の銀行対策】在来型産業に銀行融資が必須である理由とは?

2 在来型産業の成長は銀行融資は必須である

他方、現在でも、多くの雇用を生み出しているのは、在来型の産業の企業です。
製造業や建設業がその典型例で、工場の新設・拡充、製造ラインの更新や拡大、多額の立替資金や重機など、資金需要は極めて旺盛です。
中小企業であっても、増加運転資金に設備資金にと必要な資金を調達していると、中小企業といえども、当たり前に、借入残高はあっという間に億単位です。

在来型産業の企業である限り、金融機関からの必要となる資金調達は必須です。
非上場の在来型産業は、銀行融資は成長への必須アイテムなのです。

在来型産業であっても、BSを強靭なものにして、PLを安定的に利益が出る体質に改め、会社と個人を明確に分別すれば、経営者保証ガイドラインに基づいて、個人保証を解除することも可能です。

在来型産業の中小企業経営者は、「どうせ、うちはソフト型産業とは縁がないし」と嘆くことなく、自社を次世代に残せる会社に改造し続けていくことが必要なのです。


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