【中小企業の銀行対策】重たい支払利息負担がボディブローのように効いてくる理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、重たい支払利息負担がボディブローのように効いてくる理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。
1 支払利息負担は徐々に重たくなってくる
2 支払利息の軽減は元本返済にかかっている

どうぞ、ご一読下さい。

1 支払利息負担は徐々に重たくなってくる

今年の中小企業を巡る外部環境の変化の一つが「利上げ」でした。
長らく続いてきたゼロ金利、マイナス金利が解除され、短期金利が上がり、メガバンク以下、地方銀行各行が短期プライムレートを年率0.15%引き上げました。

幸いにも、明日の日銀政策決定会合でも年内2度目の利上げは見送られるものと北出は考えているので、短プラの上昇幅も年率1.5%と比較的小幅にとどまりました。
中小企業経営者からすれば、「たかだか、0.15%くらい、大したことなかったな」という感覚かもしれません。
年率0.15%の引き上げであれば、借入残高1億円であれば支払利息の年間増加額は150千円で、月額で言えば、1.8千円です。
確かに、金額からすれば、「大したことなかったな」の世界かもしれません。

しかしながら、大阪のような大都市では、既に地価が上昇していて、不動産投資も活発です。
かつてのバブル経済とその崩壊のような事態に陥らないためにも、ゼロ金利、マイナス金利への回帰は想定しにくい状態です。
来年にかけて、短期金利は徐々にではあるにせよ、上昇基調が続くことは間違いなさそうです。

銀行融資を受けている中小企業にとっては、支払利息は「固定費」です。
自社の財務体質をより高い次元で健全なものにしない限り、債務者区分や信用格付けはなかなか上がりません。
このため、適用金利はそう易々とは下がることはないのです。
中小企業経営者は、支払利息負担は徐々に重たくなってくると認識しておく必要がありそうです。

【中小企業の銀行対策】重たい支払利息負担がボディブローのように効いてくる理由とは?

2 支払利息の軽減は元本返済にかかっている

実際、お客様の中小企業の資金繰り表を日常的に作成している身としては、支払利息の負担が会社によって様々で、借入金が重たい会社ほど、支払利息負担が重く、収益面でも資金繰りの面でも支払利息が重しになっていることが肌感覚でわかります。

仮にリスケジュール状態が続くようであれば、元本返済は軽減されるものの、支払利息負担は重いままです。
リスケジュール状態が続けば、取引金融機関は、実質信用部分について引当を積むので、借入のレートの引き上げを要請してきます。
こうなると、ますます、支払利息負担は重くなり、経営改善に支障が出かねない状態に陥りかねないのです。

支払利息負担を軽減するためには、借入金をしっかりと返済していくことに尽きるのです。
併せて、財務体質の強靱化(実態ベースでのBS健全化)を強力に進めていく必要もあります。
長期借入金の返済期間は、10年間のような長期になりがちで、約定返済通りに返済していっても、返済ピッチはなかなか上がりません。
だからといって、内入れをしようとする違約金が課されるケースがあるので、内入れも慎重でなければなりません。

とはいえ、借入残高を減らしていくことで支払利息負担を軽減できるため、収益改善にも繋がります。

中小企業経営者は、来年にかけて、もう一段、もう二段の金利引き上げを見据えて、収益力をより高めて、資産圧縮による財務体質強靱化に全力で取り組んでいく必要があるのです。

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