【中小企業の銀行対策】セーフティネット保証の対象業種を確認する必要性とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、自社がセーフティネット保証の対象業種となっているかを確認しておく必要性について考えます。

今日の論点は以下の2点です。

1 コロナに関する公的支援制度は縮小傾向にある
2 セーフティネット保証の概要を確認しておく

どうぞご一読下さい。

1 コロナに関する公的支援制度は縮小傾向にある

2024年もお正月を過ぎ、大阪では大国町の戎さんが終わってしまうと、いよいよ、2024年も本格始動です。
お休みが例年長めの自動車メーカーの操業も始まりました。

2024年も本格稼働と言っていると、間近に迫ってくるのが「年度末」です。
大手企業の多くが3月決算であるのと共に、役所の年度末も3月末なので、3月決算ではない中小企業でも、心なしか、慌ただしさを増してくる気がしてなりません。

コロナ関連に関しても、やがて、5類となって1年となってくると、これまでの手厚かった中小企業に対する公的支援制度も徐々に縮小したり、終了したりします。
各種の助成金や補助金もそうですし、おそらく、コロナ資金の後継となっている伴走型資金も同様です。

こう言ってはなんですが、「あとは自己責任でお願いね」という具合です。

確かに、弊所のお客様でも売上高だけを捉えると、コロナ前を上回り、過去最高となっているケースが少なくありません。
売上の増加は、値上げの効果が効いていることは間違いありませんが、中には、コロナ禍によってコロナ前の商売敵が倒産や廃業をしたり、拠点を撤退したりすることで、いわば「残存者利益」を享受できているお客様も見受けられます。
安値で殴り込みをかけてきていた同業他社が市場から退出した結果、適正価格が実現されているような場合も散見されます。
確かに、コロナ禍では、コロナ資金の調達によって、借入金の依存度が高まってしまいましたが、コロナ禍を災い転じて福来るというようなこともなくもないのです。

もちろん、飲食業のように、コロナが収束したと思えば、雨後の筍ように、新規参入組がジャンジャン現れる業界は、依然として過当競争を強いられている業界があるのも事実です。

2 セーフティネット保証の概要を確認しておく

原価高と人件費高騰によって収益が確保しづらい中小企業にとって、使い勝手が良いの「セーフティネット保証」制度です。
セーフティネット保証4 号保証は、信用保証協会100%保証で、金融機関の責任共有部分が発生しないため、金融機関としてはノーリスクです。

一方5号保証は、信用保証協会の保証部分が80%で、金融機関が20%負担する責任共有制度の対象です。

セーフティネットの保証要件としては、4号保証の場合、直近の売上高が前年同月実績を20%以上減少していて、向こう3ヶ月間も同様の減収傾向が続くことで、5号保証の場合、直近の売上高が前年同月実績を5%以上減少していることで、向こう3ヶ月間減収傾向が続くことが見込まれることは4号保証と同様です。
金融機関にセーフティネット保証での資金調達をお願いする際には、売上高が減少していることを市区町村で証明してもらう申請書が必要です。
申請書の交付は1両日中には交付されるので、売上高が減少していることを証明できるような売上帳や試算表などを持参する必要があります。

それで、そもそも5号保証の場合、対象業種が指定されていて、3ヶ月毎に対象業種が見直されます。
因みに、5号保証の対象業種の数は、2023年4月から6月までが512、2023年7月から9月までが577、2023年10月から12月までが554で、現在の2024年1月以降では562となっていて、対象業種の数は変動していて、減少傾向にあるとは言えません。

但し、今後、景況感の回復(財務省や日銀は少なくともそういう風な認識である)となれば、対象業種の数は減っていくことが懸念されます。
また、対象業種であった業種が対象業種から外れたり、あるいはその逆も発生しています。
「えー、先月までは対象業種やったのに、いつの間には外れてるやんか」と後悔して、嘆いても、後の祭りです。

「そろそろコロナ資金で調達した資金が尽きてきた」とか、「年度末に長期安定資金を確保しておきたい」という中小企業経営者は、自社が対象業種に当たるかどうか、確認しておく必要があります。

このように、中小企業が受けられる制度融資は、その運用が適宜見直されています。

中小企業経営者は、特にメインバンク担当者との間で、制度融資について常日頃から情報交換や議論をするような関係性を構築しておくことが必要なのです。

【中小企業の銀行対策】メインバンクにしてはいけない金融機関の特徴とは?も併せてご一読下さい。

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公式サイト「コロナで痛んだ中小サービス業の再生支援」もご覧ください。

コロナで痛んだ中小サービス業の経営改善・再生支援
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