【中小オーナー経営者の心得】ゴールデンウィークが家族会議を開く絶好のチャンスである理由とは?
今日は、中小オーナー経営者の心得として、ゴールデンウィークが家族会議を開く絶好のチャンスである理由について考えます。
今日の論点は、以下の2点。
1 ゴールデンウィークに会社の未来像を考える
2 オーナー一族として家族会議を開いてみる
どうぞ、ご一読下さい。
1 ゴールデンウィークに会社の未来像を考える
4月も下旬に差し掛かり、ゴールデンウィークが目前に迫ってくると、道路が普段の月末前よりも混雑して、移動に普段よりも時間がかかってしまいます。
サービス業を除けば、中小企業もゴールデンウィークに突入します。
自動車関連などの製造業であれば、4月27日から5月5日までの9連休となる会社も少なくありません。
暦通りに休む場合でも、前半の三連休に、後半の四連休が控えます。
このような長期の休みがやってくるとなると、もちろん、中小企業経営者も、近場の韓国や台湾に行って、見聞を広げるもよし、読み溜めていた本を読破するもよし、リフレッシュの良い機会でもあります。
他方、中小企業経営者は、とかく多忙です。
中小企業、小規模事業者のオーナー経営の場合、かなり細かい案件でも、従業員が社長の了解や決裁を求めてくる他、社外の取引先の対応にも忙殺されます。
弊所のお客様の中小企業経営者も、平日日中は、打ち合わせ中でも、頻繁に携帯電話が鳴ります。
多忙を極める中小企業経営者であるが故に、携帯電話がほとんど鳴らなくなるゴールデンウィークに、じっくりと会社の将来像を考えてみる良いチャンスでもあります。
会社の将来像を考える上で、オーナー経営者がぶち当たる課題が「事業承継」です。
息子がいて、彼が会社に既に入社していれば、暗黙のうちに、社内外の誰もが、社長の息子が次期社長になることを期待しています。
ただし、実際に、次期社長として息子にバトンを渡すとなると、なかなか踏ん切りがつかないというのが現実です。
財務体質に問題があることは比較的明瞭ですが、歴史の長い会社の場合、決算書に出てこないようなマイナスレガシーを抱えていることも珍しくありません。
実際に、事業承継を実現するためには、財務体質のような定量的要素だけではなく、人的、組織上の定性的課題をある程度綺麗に解決しておくことが重要です。
定量的、定性的いずれの課題も相当程度解決することなく、息子に事業承継してしまうと、事業承継後、数年が経過した後、新社長に就任した息子から、「親父、これ、聞いてないで。どうなってんのや?」と家族内で紛争が勃発しかねません。
普段、多忙を極める中小企業経営者だからこそ、ゴールデンウィークに会社の未来像を考える貴重な機会なのです。
2 オーナー一族として家族会議を開いてみる
オーナー経営者として、「息子に継がせたい」と決意した後には、理想的には、オーナー一族で「家族会議」を開催して、一族皆のベクトルを合わせることが必要です。
息子が本心では「継ぎたくない」と思っている限りでは、継がせるべきではありません。
ましてや、日本国では、職業選択の自由が保障されている以上、息子に強制的に継がせるわけにはいきません。
以前、随分、前のことになりますが、オーナー経営の会社で、息子に事業承継後、息子から「好きで継いだわけではない」という言葉が発せられた時には、北出は相当驚きましたし、衝撃を受けました。
間違っても、そのような発言は従業員の前では発してはいけないものですし、正直なところ、覚悟なきまま事業承継した親にも子にも呆れて言葉を継ぐことができませんでした。
事業承継とは、継がせる側にも継ぐ側にも、覚悟が求められます。
そのような大切な決定事項だからこそ、オーナー一族による家族会議を開催して、オーナー一族共通のコンセンサスを得る必要があります。
継がせる側のオーナー経営者が継がせるか否か、最も悩むところは、ズバリ「銀行取引」です。
安定した銀行取引があってこそ、会社を安定的に運営することができるのです。
当然、メインバンクのご理解も必要となります。
事業承継までのXデーを設定して、年次で解決していく課題を明確化し、そのスケジュール通り、経営課題を着実に解決して、晴れて、事業承継のXデーを迎えます。
中小企業経営者は、ゴールデンウィークを事業承継への家族会議を開く絶好のチャンスと認識して、今一度、会社が抱えている経営課題を再認識し、着実に経営課題を解決していく方法を熟慮する必要があるのです。