【中小企業の銀行対策】資金繰りの安定が経営者を冷静にさせる理由とは?
今日は、中小企業の銀行対策として、資金繰りの安定が経営者を冷静にさせる理由について考えます。
今日の論点は、以下の2点。
1 資金繰りが不安定だと経営者のマインドが乱れる
2 コロナ借換保証は6月末に申込期限が到来する
どうぞ、ご一読下さい。
1 資金繰りが不安定だと経営者のマインドが乱れる
中小企業経営者の最大の悩みが、資金繰りへの不安だと北出は考えています。
「今月の給料、大丈夫やろうか?」とか、「来月末の手形、ちゃんと落とせるやろうか?」と資金繰りの不安を抱えていると、経営者は、心あらずの状態になってしまいます。
本来、前向きに、売上を戦略的どうやって立てて行こうか、人事はどうしようか、といった会社が抱えている経営課題の一丁目一番地に目が行き届かなくなります。
「今月の給料、大丈夫やろうか?」とか、「来月末の手形、ちゃんと落とせるやろうか?」と資金繰りの不安は、即ち、「うちの会社ってもしかすると倒産するかもしれない」という生存本能に関わってくる問題です。
実際、サラリーマン時代も含めて、資金繰りに不安を抱えた経営者を北出は数多く見てきましたが、資金繰りに不安を抱えた経営者は、座って打ち合わせをしていても、突然立ち上がって、動物園の熊のように会議室を歩き回り始めたりします。
身なりのきっちりしていた社長の背広がヨレヨレになってきて、ネクタイもひん曲がったままです。
経営者と言っても、決して高い服を着用する必要は全くありませんが、資金繰りへの不安は、身なりさえも乱してしまいます。
顔色も悪くなって、終始落ち着きません。
それもこれも、経営者の心理的プレッシャーの大きな証拠なのですが、それだけ、中小企業といえども、会社を回していく責任者である経営者の責任は社会的にも想像以上に大きいのです。
2 コロナ借換保証は6月末に申込期限が到来する
4月から延長されたコロナ資金に変わる伴走支援型特別保証(コロナ借換保証)が6月末に申込期限を迎えます。
コロナ資金は特殊な制度融資のため、他の一般保証での借換はできません。
よって、コロナ禍真っ盛りのタイミングで調達したコロナ資金で、返済が進んだものを借換保証で折り返しで資金調達することが可能です。
おそらく、民間金融機関のコロナ借換保証は、これが最後となる公算が高いので、特に、原価高ではあるものの、集客力が向上して売上高が増加しているようなサービス業であれば、増加運転資金ということで、コロナ借換保証の俎上に載せることができそうです。
コロナ借換保証だけではなく、タイムリーに必要な資金を調達するためには、中小企業経営者は、常日頃から、取引金融機関、中でも、メインバンクとのコミュニケーションを取ることが必要です。
いうまでもありませんが、金融機関とのコミュニケーションツールは、試算表と資金繰り表(建設業であれば受注明細)です。
これだけあれば、金融機関役職員とのコミュニケーションを取ることが可能です。
中小企業経営者は、資金繰りへの不安というプレッシャーをなるべく緩和するため、常日頃から、メインバンクとの意思疎通を円滑にしておくことが肝要なのです。