【中小企業の銀行対策】経営改善の鍵がアクションプランの実効性にあるわけとは?
今日は、中小企業の銀行対策として、経営改善の鍵はアクションプランの実効性にあるわけについて考えます。
今日の論点は、以下の2点。
1 アクションプランを絵に描いた餅にしてはいけない
2 アクションプランは経営改善の鍵である
どうぞ、ご一読下さい。
1 アクションプランを絵に描いた餅にしてはいけない
経営改善局面にある中小企業は、筆頭債権者であるメインバンクから経営改善計画の策定を求められます。
経営改善計画の根幹は、数値計画です。
計画0年目から10年目まで、毎期のPLと期末時点のBSを示して、PLを改善し、BSを立て直していくことを計数面で表現します。
数値計画はもちろん大切なのですが、数値計画の更なる基になるのが「アクションプラン」です。
増収策、原価低減策並びに販管費削減策を具体的な行動として明確化し、取り組み始める時期(いつから効果が出るのか)と改善効果を金額や率で示すのが「アクションプラン」です。
数値計画は、アクションプランの金額や率での改善効果を反映させたものなので、「アクションプラン」は極めて重要です。
ここで大切なことは、「アクションプラン」に実行できないことを書いてはいけないことです。
客観的に、「これって、ホンマに実行に移せるですか?」ということはNGです。
とりあえず経営改善計画を出してしまえば良いと経営者が思ってしまうと、「アクションプラン」に実行できないことが記載されてしまいます。
これでは、経営改善計画自体、絵に描いた餅になってしまいます。
月次や3ヶ月毎にモニタリング(業況報告)を金融機関に行なっても、「ちっとも改善する兆しが見えない」となってしまって、経営改善が頓挫してしまいます。
これでは、経営改善を果たして、次世代に残せる会社にすることはできません。
目先のルーティンワークが忙しいのはわかりますが、経営改善計画を実行に移していくのは経営者の大事な大事な仕事です。
アクションプランを絵に描いた餅にしては絶対にならないのです。
2 アクションプランは経営改善の鍵である
実際に、アクションプランを実行に移していくと、初期段階では、なかなか想定通りの効果を生み出すことができません。
それは、当然のことで、今までに取り組んだことのなかったことを実際に実行に移していくわけなので、現場サイドから「今までのやり方でええんと違いますか」などとハレーションが起きることが珍しくありません。
初期段階で結果が出ないからと言って、さっさとアクションプランを放棄してはなりません。
現場サイドで、PDCAを回しながら改善を図って、試行錯誤を重ねていけば、やがて、アクションプランに近いような効果が顕在化してきます。
アクションプランをやり切れるかどうかは、経営者の覚悟にかかっています。
そして、どうしても効果が出そうもなかったら、アクションプラン自体を修正して、新たなアクションプランを練り直せば良いだけです。
現場サイドを巻き込んだPDCAががっつり回って、試行錯誤を重ねれば、いよいよ経営改善の道が開けてきます。
このように、アクションプランは経営改善の鍵になることは間違いなさそうです。
中小企業経営者は、いつまでも、経営改善局面で不安的な経営を続けることはもう止めて、未来志向で、自社が次世代に残せる中小企業になるよう、全力で経営改善に取り組む必要があるのです。