【中小企業の銀行対策】最低限の数学的感覚とITリテラシーが必要である理由とは?
1 中小企業の経営の基本は「算数」だ
金融機関から融資を受けている中小企業経営者であれば、金融機関担当者から、質問を受けたり、試算表だったり資金繰り表だったりのリクエストを受けることがままあります。
そもそも、北出に言わせれば、試算表や資金繰り表といったものは、月次で金融機関に提出するのが当たり前だと考えているので、金融機関担当者からそのようなリクエストをもらうような中小企業経営者は、経営者失格です。
試算表は会計事務所からPDFファイルで提供されるケースが多いようですが、できればCSVでもらって、必要に応じて経営者自身が加工、編集して、収益のシミュレーションを行うことが肝要です。
また、資金繰り表については、基本的なExcel操作で十分作成することができます。
資金繰り表程度であれば、必要となるExcelスキルは、基本、足し算、引き算、そして掛け算、割り算、までで、if演算程度ができれば完璧です。
北出は、中小企業経営は、試算表という毎月出てくる通信簿からえた過去の教訓を、未来予想図の一つである「資金繰り表」にブレイクダウンすることだと信じているので、北出が考える中小企業経営の基本は、「算数」であると考えています。
つまり、この程度の「算数」の世界は、理学部や工学部で学ぶ難しいロジックではなく、普通の日本国民が受けてきたであろう基本的な学力があれば十分こなすことができるはずです。
2 エクセルの次は、ウェブへのスイッチへ
試算表や資金繰り表が紙からファイルに移行すると、次はウェブ系へと自然に道がつながります。
今までの紙にプリントアウトして、金融機関に出向いていくということだけではなく、事前にメールで試算表や資金繰り表、経営改善計画書を金融機関にお送りしておくと、実際の打ち合わせにスムーズに入っていくことができます。
事前に債権者、債務者そして専門家が情報を共有しておけば、核心の点に一気に話を進めることもできます。
信用金庫じゃないけれど、Face to Faceのコミュニケーションも大切なので、感染対策をしっかりとした上で、リアルな対面とウェブをミックスしたハイブリッド型のコミュニケーションを金融機関とも積極的に取っていくべきです。
リアルだと月一回になるところを、ウェブ打ち合わせを入れることで、債権者と債務者とのコミュニケーション頻度を上げることができます。
ごく一部の金融機関では、「うち、外部メール、ダメなんですよ」みたいなところも現実に存在します(本当のお話です。信じられないでしょ?!!)が、そのような金融機関を見ていると、昭和の時代やあるまいし、(この金融機関、ホンマに大丈夫なんかいな・・・)と本気で心配になります。
プリントアウトした資金繰り表を見て、一心不乱に計算機を置く金融機関役職員を見ていると、「エクセルのセル、見ればええのに」と笑えてきます。
一方で、金融機関は、実印・印鑑証明と、まだまだハンコの文化なので、紙至上主義的なところが未だありますが、メガバンクや有力地銀の中で先進的な金融機関も確かにあって、脱紙、脱ハンコを実践している金融機関も存在します。
稟議書の電子化もかなり進んでいます。
紙を大量に使うなんて、森林資源の保護の観点からも、アンチSDGsもいいところです。
実際、たかが紙なのですが、これが意外と嵩張って、重たいのです。
北出の場合、移動は、クルマより圧倒的に公共交通機関利用が多いので、決算書のコピーとかを「どうぞ、ご持参下さい」なんて言われると、ホントに卒倒しそうになります。
中小企業経営者の皆さん、大切なのは数学的感覚とITリテラシーです。
数学的感覚とITリテラシーが中小企業を救う、のです。