【中小企業の銀行対策】悪い材料はサッサとに先に出してしまう効果とは?

今日のお題は、中小企業の銀行対策として、悪い材料はサッサと先に出してしまう効果について考えてみます。

今日の論点は、下記の2点。

1 悪い材料は必ずバレる
2 悪い材料を先出しすることで悪意がないことをさらけ出す

どうぞご一読下さい。

 

1 悪い材料は必ずバレる

北出は、お客様の会社で経営改善が必要だと認められた時には、迷わず、メイン行以下各行に月次のモニタリングを行うよう、経営者にお願いをしています。
モニタリングとは、テレビ番組ではありませんが、文字通り「観察」で、試算表、資金繰り表(建設業の場合には受注明細)を金融機関に持参し、業況報告をすることです。
「え、毎月ですか?」とびっくりされるお客様の経営者もいらっしゃいますが、毎月始めてしまえばどうってことはなく、3ヶ月もすれば担当者との間で阿吽の呼吸になってきます。

その経験則から申し上げるのですが、モニタリング、ひいては金融機関との信頼関係を醸成するために必要な姿勢は、「悪い材料はサッサと先に出し切ってしまう」、これに尽きます。
例えば、月次の試算表が赤字の場合でも、例えば、大口売上高の計上が翌月にずれたり、修繕費といった臨時的な経費が出ることもあったり、建設業の場合、本来決算整理をすれば未成工事支出金として製造原価から抜くべき原価が計上されているので、月次が赤字だからと言って一喜一憂することもありません。
なので、月次の試算表が赤字の場合、応接室で担当者と席に付いた途端、「残念ですが、前月は赤字となっています」と先制攻撃をします。
赤字の場合もそうですし、キャッシュが大幅に減少しているケースもあるので、その原因を事前に経営者と共有しておくと話がスムースです。

2 悪い材料を先出しすることで悪意がないことをさらけ出す

北出の経験則で申し上げるのですが、意外と、中小企業経営者からすると、金融機関の敷居が高く見えているようです。
別に警察や税務署ではないので、ビビることはないのですが、なるべく来ずに済むのであれば来たくないという傾向が見受けられます。
そのような経営者に限って、資金繰りが厳しくなってギリギリ、キワキワになってから、メインバンクの担当者に泣きついてしまいます。
担当者としても、「なんや、この社長、融資の話の時だけ電話かけてくるだけかい」となると印象からしてネガティブの嵐です。

しかし、モニタリングを回し始めると、多くの経営者が、「あ、こんなもんなんやな」と安心してくれたりします。
他方、月次のモニタリングは毎月のことですから、必要以上に時間をかけることは経営者にも、担当者にも時間的、心理的な負担をかけてしまうので、要点をしっかりと押さえて、さくっと終わらせることがコツです。

また、肝心なことは後から、担当者側からネガティブな指摘を受けるようなことは絶対避けなければなりません。
ネガティブな指摘を受けてしまうと、ずっとうざこいし、後味も悪くなります。

「悪い材料はサッサと先に出してしまう」と、担当者も最初は「いきなりそれかいな!」となってしまいますが、「悪い材料はサッサと先に出してしまう」が定着すると、かえって担当者は安心してくれます。

「この会社であれば、粉飾はないな」
担当者の方に安心感を覚えてもらえれば、債務者の中小企業と債権者の金融機関の距離はグッと縮まること間違いありまんし、北出の目指すべき方向そのものでもあります。

結局のところ、中小企業と金融機関の間も、夫婦間も、仲間の間でも、ベストを尽くして、かつ、正直であれば「まあ、しゃあないか」と落とし所が見えてきます。
小手先で誤魔化そうとか、ましてや粉飾して悪い実態を隠蔽するような姿勢では、信頼関係は産まれません。

中小企業経営者の皆さん、メンツも分かりますが、対金融機関だけではなく、社員にも社外にも正直であるよう、注力してみてはいかがでしょう。

【中小企業の銀行対策】北出が中小企業向け融資審査が自動化されないと信じているワケとは?も併せてご一読下さい。

公式サイト「次世代に残せる老舗企業の創造」もご覧下さい。

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