【中小企業の銀行対策】事業承継は好業績のタイミングで行うべき理由とは?

今日は、中小企業経営者の心得として、事業承継は好業績のタイミングで行うべき理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点。

1 円滑な事業承継の鍵となるのが銀行取引である
2 事業承継のXデーを会社が絶好調のタイミングで設定する

どうぞ、ご一読下さい。

 

1 円滑な事業承継の鍵となるのが銀行取引である

中小企業経営者の多くが、60代に差し掛かって来ているこのタイミングで、事業承継は中小企業にとって最大の経営課題になっていると言っても過言ではありません。
M&Aの仲介業者も盛んにテレビCMを流しているのも、そうした背景があるからかもしれません。

事業承継は、同族継承、非同族継承(社内)、非同族承継(M&Aを含む第三者)の大きく3つに大別されます。
北出が思うには、特に、中小企業でオーナー会社であれば、同族承継が最も望ましい姿です。
オーナー社長の長男が、事業承継前から会社に入社して、営業部門を統括して、会社を引っ張っていくような姿を社内に見せていれば、従業員の誰もが「そりゃ、次の社長はジュニアで決まりやな」と納得感が得られやすいはずです。

他方、非同族承継で番頭格のような方が事業承継すると、社内から「なんであいつが次期社長やねん」という具合に、何かと社内が軋むことがあり得ます。
ましてや、M&Aで新たなオーナーが出現した場合には、当然、新オーナーの下、経営方針が変わってしまうことが予想されますし、新たなオーナーの関係から出向者がやって来て現場を陣頭指揮するようになったら、ベテラン社員を中心に、「こんなん、やってられへん。さっさと辞めさせてもらいますわ」となってしまうと、折角の重要な戦力が会社から去ってしまうことにもなりかねません。

それは、さておき、弊所がお手伝いしているのは、同族承継を円滑に進めることなのですが、製造現場や営業部門は比較的新社長が掌握しやすい傾向がありますが、個人保証や担保提供がなされている場合などで、最後まで銀行取引が新たに会長に就任した創業者の裁量として残ってしまうケースが多いのです。
ジュニアにして新社長も、積極的に銀行取引にコミットすることに及び腰になったりします。

しかしながら、特に、非上場にして、オーナー経営の中小企業にとっては、銀行取引が資金調達の源なので、銀行取引は最大の機密に当たります。
逆に言えば、銀行取引を綺麗にしておけば、より一層同族間事業承継を円滑に進めることができるのです。

2 事業承継のXデーを会社が絶好調のタイミングで設定する

次に、創業者が自身の後継者として、子息を指名して、子息が次期社長に就任することを決断したとしましょう。
そこで、問題となるのが「いつ、事業承継するのか?」という当たり前の疑問です。
「いつ、事業承継するのか?」の答えは、実にシンプルで、その答えは「会社が最も好業績となっているタイミング」です。

創業者は、自身の子息に事業承継させた後、創業者が亡くなって以降も含めて、「銭では苦労をさせたくない」という思いが強いのです。
これは、事業承継を受ける子息も同様で、長年の業歴の中で、会社が猛烈なアゲインストの暴風に巻き込まれたことがあったはずです。
そのような際、自身の両親がなんとなく資金繰りに苦労しているような姿を見て育っているのです。
なので、事業承継のXデーを設定して、事業承継にかかる経営課題を一つ一つ片付けていく中で、Xデーを目掛けて、会社の業績を絶好調にまで持っていくための経営努力が必要不可欠です。
会社業績を絶好調に持っていけば、メインバンク以下、取引金融機関との関係性も良好になるのが当たり前です。

このように、事業承継を決断し、Xデーを設定して事業承継を実行に移していく中で、Xデーで最も会社業績を絶好調な状態に持っていくことが事業承継を考えているオーナー社長の責務なのです。

 

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子息・子女までの次世代に残せる-中小企業の創造

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