【中小企業の銀行対策】PL上の「雑費」を減らすことの重要性とは?

1 「仕訳」は厳密に行おう

北出は、お金周りの経営コンサルタントなので、毎日毎日、お客様の試算表や決算書と向き合っています。
そうした中でいつも感じるのが、「試算表も、決算書も、会社によって千差万別やなあ・・・」です。
自社の経理部門でしっかりと日々の仕訳を行っている会社もあれば、会計事務所に丸投げの会社もあります。
それはそれで、会社によって、経理部門のマンパワーの問題なので、自社でやろうが丸投げだろうが、どちらでも良いのですが、パッと見、「この会社の経理、しっかりしてるな」だったり、「雑やなあ、この会社は」だったりします。
「雑やなあ」と北出が試算表や決算書を見ていて気になるのが、損益計算書販管費の一番下の「雑費」です。
文字通り「雑費」なので、一見すると、大したことのないように思えてしまいます。
他方で、「雑費」はどの費用の勘定科目に当てはまらない、経理担当とすれば、泣く泣く「雑費」にするというのが本来の姿です。
理想的には、「雑費」が0円の試算表や決算書が望ましいと言えます。
販管費の合計額の割りに「雑費」が多い試算表や決算書をみると、「この会社、ホンマに大丈夫かいな?」と悲しくなります。
たかだか「雑費」なのですが、「雑費」が多い試算表や決算書は、客観的に見て、信憑性がお世辞にも高いとは言えません。
経理削減を検討する際、「雑費」が多額計上されていると、経費削減策を具体化するのに支障となってしまいます。
ひょっとすると、雑費の中にヤバいような経費が含まれているのでは?と勘ぐられかねません。
北出が思うのですから、当然、メインバンク以下、金融機関の審査部門でも同じような目線です。
金融機関からの信用を得るためにも、「雑費」を含めた厳密な仕訳が中小企業にとって必要不可欠です。

2 中小企業経営者自らが仕訳に関心を持つ

中小企業経営者は、多忙です。
北出がお姿を見ていて思うのですが、年商1億から5億円位の中小企業経営者は、会社のほぼ全てのことに決定権があるので、とにかく多忙です。
部長職のような右腕が育っていないケースも散見されます。
そんな中、「仕訳の一個一個を見てられへん」というのが本音のところかもしれません。
しかし、厳密な仕訳・会計は中小企業経営者が想像するよりもとてもとても重要なものです。
中小企業の経理部門は、特に、社歴の長い事務員さんが担当しているケースが多いので、仕訳が慣例的に行われていたりします。
彼ら、彼女らは、長年続いてきている日々の仕訳は正しいものだと信じて疑っていません。
中小企業経営者は、主体的に経理部門に関心を持ち、厳密に仕訳が日々行われているか、折に触れてチェックする必要があります。
経理部門のKPIとして、「雑費0円」を掲げて経理業務の見直しを行うのも良いかもしれません。
「経理や総務は収益を産まん」という中小企業経営者の声が聞こえてきそうですが、経理は企業にとって中枢機能です。
決して、製造現場や営業部門よりも下に見るようなことがあってはなりません。
「雑費」は、試算表、決算書の信憑性を占う重要なバロメーターの一つであることを、中小企業経営者は忘れてはならないのです。

【中小企業の銀行対策】試算表、決算書から異常値を早期発見する必要性とは?も併せてご一読下さい。

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