【中小企業の銀行対策】資金繰り表とは「〇〇の〇〇」でビジネスモデルを表現したものである
今日は、クイズ形式ですが、資金繰り表とは「〇〇の〇〇」でビジネスモデルを表現したものである、を掘り下げていきます。
今日の論点は以下の2点。
1 資金繰り表でビジネスモデルの健全性を検証できる
2 「〇〇の〇〇」を把握している経営者は賢い経営者である
どうぞご一読下さい。
1 資金繰り表でビジネスモデルの健全性を検証できる
いきなり、そもそも論で恐縮ですが、経営者は何故、会社を経営しているのでしょうか?
会社を経営する目的は、第一義的に「儲けるため」です。
営利企業である限り、利益を追求するのが当たり前です。
第一的な会社の目的が「儲けるため」であり、もっと言えば「おカネを増やすため」でもあります。
いくら、決算書や試算表で利益が出ていても、キャッシュが尽きれば会社は死に至ります。
常識的に考えれば、儲けが出ていればおカネは増えるはずなのですが、黒字倒産という言葉があるくらいなので、必ずともそうとは言えません。
会社におけるビジネスモデルはそもそも儲けることができているのか?
キャッシュを増やすことができているのか?
その答えを出すためのツールが「資金繰り表」です。
一般に、中小企業、小規模事業者の場合、取引上の力関係が弱いことが多いので、支払サイトは短く、売掛回収回収サイトは長くなりがちです。
特に、急成長し売上が急増している会社の場合、支払いが一気に先行してキャッシュが足りなくなることが起こり得ます。
資金繰り表は、あくまでもキャッシュベースの入金、出金で作成されるので、キャッシュが増えるのか、減るトレンドなのかを数ヶ月先までシミュレートすることができます。
資金繰り表を作成して、売上が増加しているのにキャッシュが減少するトレンドにあるのであれば、そのビジネスモデルを支えるためには、増加運転資金として金融機関からしっかりと資金調達しなければなりません。
資金繰り表によって、そのビジネスモデルの健全性を明らかにすることができるのです。
2 「〇〇の〇〇」を把握している経営者は賢い経営者である
経営改善計画書などで使用されるのが「ビジネスモデル俯瞰図」です。
「ビジネスモデル俯瞰図」とは、その会社の商流やステークホールダーとの関係性をワンシートで表現するもので、一見することで、その会社のビジネスモデルを把握することができます。
他方、資金繰り表とは発生ベースの損益(試算表)とは別に、入出金をキャッシュベースで表現するものです。
ここで種明かしですが、資金繰り表とは、「お金の流れ」でビジネスモデルを表現するものです。
「お金の流れ」というのは極めて重要で、売上を立てていても、売掛金の回収がルーズだとおカネは減る一方となります。
キャッシュが絶えてしまっては、給料も、税金や社会保険料も払えなくなってしまいます。
最後には、電気がつかなくなってしまいます。
経営者はついつい、売上高をKPIとして最重要視しがちですし、それは間違いではありませんが、経営者が売上高以上に重要視しなければいけないのが「お金の流れ」なのです。
単に、「お金の流れ」を的確に把握している経営者は、賢い経営者と言えるのです。
中小企業経営者は、経理部門を軽視することなく、常に「お金の流れ」の把握に注力し、キャッシュを増やしていくための経営努力を怠ってはならないのです。