【中小企業の銀行対策】リスケジュール中で利益が出たら内入れするべき理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、リスケジュール中で利益が出たら内入れすべき理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点。

1 9月になれば短プラが一斉に上がる
2 月額返済額の増額と同時に内入れをしていく

どうぞ、ご一読下さい。


1 9月になれば短プラが一斉に上がる

今日が、8月の最後の金融機関営業日で、週が明ければ9月に突入します。
まだまだ暑いですが、いよいよ9月です。

日銀の短期金利引き上げを決めて以降、メガバンク3行を皮切りに、地方銀行各行が短期プライムレートの引き上げを続々と発表しています。
引き上げ幅は各行横並びで年率0.150%で、上げ幅は比較的小幅です。
多くの中小企業、中でもリスケジュール中であれば、一部の制度融資を除けば、民間金融機関は、短プラ連動がほとんどなので、中小企業にとっても、金利引き上げが現実のものとなってきます。
年率0.150%の引き上げということになると、借入金1億円で、支払利息の増加額が年間150千円、5億で750千円です。
月額ベースでは「たいした金額ではない」と中小企業経営者の多くは感じるかもしれませんが、短期金利は上昇トレンドに転じているとみるのが自然なので、短プラ引き上げは今回だけに限らず、来年にかけて、第2弾、第3弾の誕プラアップが避けられない見通しです。

将来的には、短プラアップが断続的続くことで、せっかく本業で稼いだ営業利益が吹っ飛んでしまうことも考えられます。
中小企業にとって、支払利息は固定費以外の何ものでもないので、短プラアップは収益圧迫要因になるのです。

【中小企業の銀行対策】リスケジュール中で利益が出たら内入れするべき理由とは?

2 月額返済額の増額と同時に内入れをしていく

短プラが上がって、支払利息の増加を抑制するために必要なことは、借入金の返済ピッチを上げることです。
多くのリスケジュール中の中小企業が、収益を改善して元本返済額の増加に取り組んでいますが、短プラ上昇による支払利息の増加を抑制するためには、月額返済額の増額だけではなく、例えば、決算を締めてみたら予想以上にキャッシュフローが出ていれば、月額返済とは別にまとまって内入れをすることが効果的です。

内入れに当たっては、プロラタにて、各債権者に残高シェア割をして、各行への返済に充当します。

創出できたフリーキャッシュフローの一部を内入れに充当することは、各債権者にも好印象を与えます。
メインバンクへの資金要請は難しいにせよ、ビジネスマッチングによる新たな取引先の開拓をお願いしやすくなります。
金融機関の紹介であれば、取引先とのトラブルが発生する確率は低く、信頼できる取引先を紹介してくれるはずです。
新たな取引の開拓によって、売上増加であったり、原価の低減が可能になるかもしれません。

リスケジュール中であったり、借入金が重たい中小企業経営者は、支払利息という固定費が短プラ上昇によって増加することを見越して、月額返済額の増加に加えて、フリーキャッシュフローの一部を借入金の内入れに充当していくことを検討していく必要があるのです。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい

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